奥田庵

楽しんで書ける場所が欲しいなって、ここにひっそりと、僕の遊び場を作った感じです。小説的体調管理。自由。

大人。

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花粉。

丁度いい日差し。

ウィルス。

心地いい風。

 

な、日。

 

浩紀は、コンビニのレジで自分の番が来るのを待っていた。

レジの店員は、新人らしく、隣の店員に教わりながらの作業。

若い女性の新人。中年女性のベテラン。

 

まあ、ここでイライラせずじっくり待つのが大人さ。と浩紀は心を静める。

「そう、そしたらそれ押して、で、そっち」

「あ、あ、はい」

「で、これを渡して、」

「え、あ」

「はい。ありがとうございましたは」

「ありがとうございました」

「って、お客さんによ。もうねー」

と、お客に愛想笑いのベテラン。

 

で、浩紀の番。

と、「長谷川さんー」

「はいー、ちょっとお願いね」

そのベテランが呼ばれてバックヤードに下がった。

待つのかなって思ったら、その新人さん。

ピピピッ。

「483円になります」

「あ、ペイペイで」

と、スマホを出すと、すぐにピッ。「ペイペイ」とスマホが言う。

「レシートは必要ですか?」

「あ、大丈夫です」

「ありがとうございました」

 

……って、完璧じゃん。他でやってたってぐらい。

ん? やってたな。

と、振り返ると、ベテランが横に来て、レジの説明をしている。

初めて聞くような顔で聴いている新人さん。

 

「……」

やべぇ大人だ。

と、浩紀は思った。

 

そして大人か……。

と思った。