奥田庵

ほぼ気晴らしです。

言葉。

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怯えて生きてきた紀里は、自分が使ってる言葉が変化してきたことについて考えてみた。

あまり好戦的な言葉を使わなくなってきていること。

あまり卑猥な言葉を使わなくなってきていること。

それほど作為的に言葉を選ばなくなってきていること。

 

「まあ、同じものを見ていたとしても同じことを考えてるとは限らんしね」

と、隣の男が言った。

 

そんな言葉を呟く人が隣にいることの運について考えた。

 

「たまたまだよ。だから面白いんだ」

と、隣の男は何も言っていない紀里に呟いた。

 

紀里は、「たまたま」という言葉の響きの広大さを感じ、微笑んだ。

今日も少しずつ更新される。