奥田庵

小説だったり、映画だったり。犬だったり。

10月18日の寒さ。

 

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台風でバイパスが閉鎖になった。

バスが遅れて渋滞で動かず、途中で降りて駅まで歩いた。

 

駅の周りには、救急車と、消防車と、パトカーが停まっていた。

 

「人身事故の影響で、下り電車が運行停止になっております」

 

登り電車は、数を減らし運行しているらしいので、改札を通り、ホームに降りた。

 

ホームでは下り電車が停車していた。警察官が沢山いて、周りを黄色のテープで閉鎖していた。

 

電車の開いたドアからビニールシートのようなものに包まれた人型のものが見えた。

僕はあまり、見てはいけないと背を向け登り側ホームのベンチに腰掛けた。

 

スマホツイッターを開くと、事故のことがいくつかツイートされていた。

登り電車も遅れている。

なかなか来ない。

 

寒さが身体に染みる。

最近、突然寒くなった。

 

ホームにはあまり人はいなかった。改札で電車が走っていないことを告げていたし、登り電車は発車したばかりだった。

 

僕はベンチに座り、線路の先の歩道橋と、その奥の山を眺めながら、最近の「漠然」について考えていた。

 

一周した。

そんな感じ。僕は、きっと「向いていないこと」に時間を費やしている。

そして、それなりに努力して、向いていないなりに、少しずつ向上している。

けれど、何かが止まり、何かが遅れている気分がする。

 

寒さが、苛立ちを刺激する。

 

ロジカルは向いていない。

けど感覚を信じられるほど、まだ自信は回復していなかった。

 

「何か食べよう……」

電車が来て、目的地に着いたら、何か我慢しているものを食べてみよう。

それが何を意味するかは分からないけれど、必要な気がした。

 

ホームに人が集まり始め、警察が整理している。

 

それから少し遅れて、ゆっくりと電車が到着した。