奥田庵

小説だったり、映画だったり。犬だったり。

単一電池。

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畑から、単一電池が顔をのぞかせ、

「ボクはもうすぐ捨てられるんだ」

電流があるうちに逃げてきたんだ。

と。

 

「どこに逃げるんだい?」

「充電ができるところさ。君も一緒に行こうよ」

 

充電ができるところといえば湯河原しか思い浮かばなかった。

湯河原の温泉でゆっくりして心の充電をするのさ。

 

「どうだい?」

しかし単一電池は何も答えなかった。

充電が間に合わなかったんだ。

 

僕は一人で温泉につかり、外の風を感じた後に、

単一電池を眺めながら、炭酸を飲んだ。

 

 

 

恋すること

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