奥田庵

小説だったり、映画だったり。犬だったり。

遠い空。

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書き出しとか、DVDのコピーだとか、取り込みだとか、そんな作業をしつつの残業。なんとなくの「キリの良さ」を探しつつの、ダラダラと時間が過ぎ。

「ああ、なんか、これはダメだなぁ」

って、もうキリの良さなんか求めないで、とっとと帰ろうって、電気消してカギ閉めて職場を出てって駅まで歩いて……ふと、

「暖房消したっけ?」

と、思う、アレが来る。

 

いや、絶対消してる。

けど、記憶がない。短期記憶ってのはすぐに忘れるのさって余計な知識だけは後押しする。そういえば昔、隣に住んでいた人が、部屋を出るたびに五回ドアノブをガチャガチャって必ずしていたっけなぁとか、そんなことを思いつつ、戻った方がいいか悩む。

たとえついてたって、大したことにはならないだろうなんて思いつつ、職場が爆発したり、火事になっている光景が過る。

むむ。

絶対消してるのに。

と、思いつつツカツカ引き返す。

あー、さっき通ったのに、ツカツカ。

 

で、入ってみると、

「消してんじゃん」

と。

けど、ささやかにモニターの消し忘れを見つける。

「……」

プチっと消して。

帰り道。電車に揺られ、バスに乗り換え、

「……」

腹減ったなぁ。もうすぐ九時だよなぁとか思いつつ、

綺麗な星空。

もうおじさんだなぁ。

尾崎豊の「遠い空」を小声で歌う。

 

もわっと、「やるせなさ」につつまれ。

もう、残業なんかしないのさ。

と、なんとなく拗ねている自分に寄り添った夜です。

 

 

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小さな僕がカナブンと消えた

小さな僕がカナブンと消えた