奥田庵

小説だったり、映画だったり。犬だったり。

映画監督の東海林さん。

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もう、いつ知り合ったのか覚えてないぐらい、十数年か、もっと前からの知り合いの映画監督、東海林毅さんが、うちからそれほど遠くない場所で開催されている映画祭のコンペに選ばれているって知って、奥さんと二人で映画館へ。

 

今回上映される「老ナルキソス」は既に国内外の映画祭で10冠を達成している評判の短編作品。ゲイの絵本作家のおじいちゃんが主人公の物語。

 


“ゲイでドM”の老人を描き国内外映画祭で10冠!東海林毅監督『老ナルキソス』予告

 

撮影前に脚本を読ませてもらっていたので、その後SNSで、バンバン評価されていく情報が入ってきて「凄いなー、あの物語がどう撮影されたんだろう」って気になってはいたのですが、なかなか遠出する機会を作らないでいたので、映画祭の情報を知って、こんな近くで上映されるならって、会社に休暇届け出して楽しみにしていきました。

 

いやいや、素晴らしいんです。映像がとても綺麗で説得力があって。

 

東海林さんの凄さっていうのは、なんて言いましょう、体験として認識していまして、例えば、僕ら夫婦が安曇野に住んでいた時に、わざわざ訪ねてきてくれて、最寄り駅が「有明(ありあけ)」か「安曇追分(あずみおいわけ)」だったのですが、少し遠いほうの「安曇追分」を選んだんです。で理由を聞いたら

「どっちかって言ったら、こっちのが面白いでしょ。一択だよ」

って言われて、そんな考え方があるんだって、びっくり。「おいわけ」が、田舎っぽい響きで面白いって理由で、選択する。

で、しゃべり方も静かで、紳士なふるまいの東海林さんが次の日、松本城の前で

「写真撮っていいかな」って、

松本城の前に東海林さんが立って、で撮る瞬間に「面白い顔」をしたのです。

そこにまた僕はびっくり。

ずーっと一緒にいても「面白い顔」はその瞬間だけ。しっかり残るものに「面白い顔」を意識する。そのどっちにも、「未来への信頼」みたいなものがうかがえて、僕は何気に感動していたんですね。その後に誰かと共有が前提で、瞬間を作り上げている。まさに映画作りと一緒なんです。じわりじわり。

 

僕がよく使ってる「作品を作るのか商品を作るのか」って発言は東海林さんが焼肉屋で僕にさらりと言ってた言葉だし、

一時は引きこもりのような生活をしていた東海林さんが、

「俺、そういえば映画監督になりたかったんだよなぁ」

って思い出し、怒涛の如く自ら売り込んで仕事をしまくって、ちゃんと映画監督になってしまったこと。しっかりと商品の映画も作り、自主制作で作品の映画も作って、「商品」でも「作品」でも評価を得ている凄さ。

そこだけなぞると奇跡みたいな話にすら思える。

 

けど、ちゃんと出向いて、一人一人にチラシを渡してアピールすること。知り合い同士を交流させたり、相手の意見を尊重してちゃんと聞くこと。さりげない瞬間の積み重ね。そういうことは実はなかなか出来ないことばかりで。本当に大変だし地道だし難しいことをしているなぁって。

たぶん、東海林さんは「積み重ね」の最中なんだと、きっと未来を信頼し続けているんだと思います。

 

勿論、映画ってやっぱりその人を映しているので、映画の中に「東海林さん」がいまして、「老ナルキソス」にもまた僕は感動しました。

最後のテロップに、僕の名前も入っててまたびっくり。

「脚本の意見聞いたから」

って、さらりと。

 

そんな東海林さんの「自主制作」だけを集めた上映が、3/30より一週間、池袋の映画館シネマ・ロサで行われるそうです。

shoji.themedia.jp

ぜひぜひ。

 

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今回は面白い顔じゃなくしっかりと宣伝をする東海林監督。

 

 

足音にロック

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