奥田庵

小説だったり、映画だったり。犬だったり。

むずむず。

電車にて。

僕が座っている前で、二人の男女が吊革につかまりながら会話していた。

「俺、同窓会に呼ばれる気がしないんだよね。でもまあ、別に会いたくもないけどさ」

「そうそう無理して会おうって気はしないよね」

「だけど、夢に見るんだよね。結構、同窓会の夢」

「へー、その夢ってさ、昔の顔で出てくるの?」

「いや、それなりに、髪の毛染めてたりとか、変わってたりする」

「そうなんだぁ」

「でもさ、俺ってなんか、同級生とかからさ省かれてる気がするんだよねなんか」

「ミートゥー」

ここで無言の間。

「……ミートゥーってなに?」

「え、私もって意味。英語、英語」

「あー、ふーん、あーあー」

「そうそう、この前さ……」

その後も二人の会話は、ずっと続く。

無言で、それを聞き続ける僕。

「……」

 

まあ、だからって、何でもないんだけどさ。

なんかムズムズ。

 

 

恋すること

恋すること