奥田庵

小説だったり、映画だったり。犬だったり。

凄い作品を見た。

 

この前、ぷら~と自主映画コンテストを見に行ったんですけど、

全部面白くて。凄いなって。

 

昔の自主映画って言ったら、8ミリフィルムとかで作っていたから、画面が真っ黒だったり、音が割れていたり、原っぱで走り回って、お爺ちゃんがセリフ棒読みだったりみたいな「明らかな素人感」全開の作品が多かったのですが、

お話はしっかりしているし、演技もしっかりしているし、ロケ場所豊かだし、映像も綺麗だし、音楽も違和感なくて、なんていいますか、基本的に「ちゃんとしている」んですね。

 

きっと、パソコンとか、カメラがぐぐぐーんと、高性能なものが安価で出回るようになったことも要因としてあるのでしょうし、それと、プロで仕事している方とかも、自分たちで自主的に作品を創るようになってきているっていうこともあるのでしょう。エンドロールテロップの中身の充実さといったら……。

本当に素晴らしいこと。

まだ、僕の知っている頃だと、十数年、助監督して、やっとこオムニバスのうちの一編、エッチなVシネマを監督できたと思ったら、仕事がなく、廃業みたいな方たちがいた時代だったので、いやー、素晴らしいと。

「つぶしのきかない演出部」ってよくボヤいていました。

良かった、良かった。

あの方たちも撮って欲しい!

 

で、この前見た中で、「これは、めったに見られるものではないな」

と、思った作品が、

「ある日本の絵描き少年」(川尻将由監督)

という二十分の作品。

 

絵が動くのですが、それこそ、チラシの裏に描かれた幼児のらくがきから、子供のお絵かき、授業で書かされたような絵から、美大や、デザインイラスト、漫画とか、それもジャンル別書き分けの絵とか、とにかく膨大なタッチの絵が動くのです。そして、実写映像も入り、ってとにかく凄い表現のオンパレード。美術品として提出されていてもいいような素晴らしい作品でした。

これは簡単じゃないってのが、一目で分かってゾクゾクします。

 

滅多に見られるものじゃないです。これは。

「僕の作風はこれです」というような作品ではなく、

何度も再現できない、けど「この作品」が必要という感じかしら。

うまく書けない。見てほしいです。

素晴らしい。

 

 

nekonigashi.com

 

コンテストってお客として見に行くととても面白いですね。

こりゃ、競うものじゃないなってのも大前提として、あるのですが。

ジャンル違うし、予算も、扱っていることも、全然違う。

言ってみたら、「全部正しい」わけで。

 

でも、こういう滅多に進んで観る機会がないものを観られるっていうのはとても楽しかったです。

 

だから、「これからの為に作っている作品」とか「これがどうしてもしたい作品」とか、「まず、これを作ってみた」みたいなものとか、色々とあると思います。

僕は、すぐに「本当にこれがやりたかったのか?」視線をしてしまうから、昔は楽しめなかったのですが、もう、全然楽しめます。

 

きっと、他がどうとかじゃなく、自分でやれ見たいな話でして。

人は人。僕は僕。

誰も僕の小説を書いてくれない。

 

で、色々と考えたんですよ。

一人で帰り、しゃぶしゃぶ食べ放題しながら。

僕が映画を創らない理由とか。

 

僕はきっと「続けたい」わけではないのだなと。

どちらかと言えば「終わらせたい」んじゃないかと。

 

衝動がずっと止められない状態。

「終われる」ようなものを自分の手でつくることが出来たら、こんな感動はないんじゃないかって思っているんだなと。

そんな一作を創ってみたい。

 

 

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