小説kinema

小説だったり、映画だったりの作業スペース。散らかってます。

ゾワゾワ。

小学生の頃、スポーツテストっていうのがあって、
五十メートル走ったり、幅跳びしたり、ボール投げたり。
そんで、他の生徒が走っているのを体育座りしながら眺めていたとき、
一人、目を閉じながら走っている同級生がいて。
は?
で、また走っているところを見ると、目を閉じている。
なぜだ、前を見て走らないと危ないじゃん。転ぶかもしれないし、ぶつかるかもしれない。コースからズレるかもしれない。
なので、訊いてみた。
「走ってるとき、目を閉じてるのなんで?」
「え? 気持ちいいから」
「気持ちいい?」
「うん、気持ちいい」
何だそれっ! ゾワゾワゾワと何かが刺激される。

今となっては、それが同級生の誰で、その後も閉じていたのかは定かじゃないんだけど、そのエピソードは物凄く覚えている。
なんていうか、美しい。

「気持ちいいじゃん」
周りが真剣に走っているところで、そこを取るのかと!

強いなって思ったんだな、たぶん。
アホっぽいなってのも思ったんだろうけど。

けど、そういう人好き。