小説kinema

小説だったり、映画だったりの作業スペース。散らかってます。

季節

ドキュメントエッセイ・リターンズ。-PAP_0468.JPG



 九月の終わり。
 一週間前まであんなに暑かったのが、今日は肌寒さすら感じる。

 歩道の枯れ葉が、街の色合いに変化を与えている。歩くたびに「カシャリ」と耳に残る枯れ葉の音。風と移動する音。


 僕は、ひたすら汗を拭い営業を回った猛暑日の影響で、自律神経が完全に支障をきたしていた。しんどい。
「危ない!」
 誰かが遠くで叫んでいた気がしたが、とくに気にせず歩いていると、後頭部に何かが突進し、突き抜けていくような衝撃を感じた。
 見ると突進してきたのは秋だった。
 秋は僕にぶつかったと思うと、軽く会釈をし、そしていつのまにか、通り過ぎ、見えなくなった。
 一瞬寒気がした。
 気がつけば、冬だった。
「早いな、あっという間だ……」
 僕は少しだけ覚悟を決め、また歩き出した。