小説kinema

奥田徹の小説だったり、映画だったりの作業スペース。散らかってます。

僕の映画の作り方 9章 撮影機材


スペアキーな冒険・予告編(5/16初お披露目バージョン。)

9 撮影機材

撮影機材については、実際に「スペアキーな冒険」で使用していたのは、
「キャノンの iVIS HV30」という家庭用ビデオカメラで、だいたい当時八万ぐらい。
今ならもっと性能が良いのが安く出ていると思われる。
それと、量販店で「どれが良いですかガンマイク?」と聞いて買ったマイク。一万円ぐらい。

これで撮影は出来るけれど、あと、あると便利なのは以下のもの。
カメラ機材=三脚。レンズのほこり取り。
録音機材=ブーム(マイクをつける長い棒)。マイク用の延長コード。マイクの風防(風よけカバー)。ヘッドフォン。
照明機材=レフ板、アイランプ二つ、照明スタンド。
だいたい電気屋さんで揃うものばかり。

撮影風景はこんな感じ。一人カメラ、一人マイクの二人。

$ドキュメントエッセイ・リターンズ。

で、どんな感じになるかは、以下の予告の感じ。



この時にしたかったのは「映画調の画質」、「そこそこ綺麗」ぐらい。
なので、家庭用だけれど「ハイビジョン」のカメラ。キャノンのカメラには「24P」と「シネマモード」というのがついていたので、それを使用すると上の感じになる。
「24P」と言うのは、一秒間のフレーム数が24という事。
基本、映画などの「フィルム」を上映する時、一秒間を24フレームの速さで(24枚の写真)を「動いているように」見せるのだけれど、ビデオは一秒間30フレーム(実際はなんだかインターレースとか細かい事があったけど、まあ解りやすく)。なので、ビデオの映像はフィルムよりなめらかに見える。なので、そのフレーム数を24コマにして撮影すれば「フィルムのような感じ」が再現される。シネマモードは単純に言えば「映画のような画質」ですよというモード。

機材に関しては拘ればいくらでも深く潜り込める。それこそ数千万単位の凄いカメラまで沢山。
それは個人がネットで調べたりしてもらえばすぐ解ることだから省くが、僕自身の話で言えば、「よっぽど汚くなければいい」ぐらいの考えなので、「家庭用」で問題なかった。
問題なかったどころか、この家庭用ビデオの映像でも「充分綺麗にスクリーンで上映」出来た。
これは凄い時代になったものだと思った。

今は一眼レフカメラの動画機能で、かなり綺麗な映像が撮影できる。つまり、カメラひとつ、写真家のような身のこなしで映画監督が出てくる準備が整ったのだと思った。
例えるなら、昔「音楽」と言えば、オーケストラを率いた楽団が奏でるものだったのが、ギター一本で「個人」が表現できるものへ変化したように。この場合、演奏される「音」は変わるが、それぞれの良さを生かした音楽づくりと言う意味では、解りやすいと思う。

実際、技術は物凄い速さで進歩している。カメラもすぐ性能が古くなるし機材はレンタルでもいいと思う。それと「画質の綺麗さ」ばかり追い始めるとキリが無くなる。
ほとんどマニアックな世界だ。「見る人が見たらわかる」と言う話。
しかし、その人の映画で「画質の綺麗さ」を見せるのが目的なのであれば、どこまでも拘ればいい。第二章で書いた通り、それも判断だ。

僕は「画質」より「演出」に集中したかったので、それを見せるために規模、予算、カメラを操作するのが僕自身と考えた場合、「誰でも綺麗に撮れる」家庭用は最適だった。
気分的には「家庭用カメラで撮影した映画がどこまで食い込めるか?」と言うスタンスが、ちょっと燃えた。モチベーションとして、丸腰で戦う気分。潔く現在形の提示。

しかし、思ってたより綺麗に撮れたので、そんな目的もどうでもよくなっていた。
ただ、「一生懸命映画を撮ろう」と。幸せな時代だなと。