小説kinema

小説だったり、映画だったりの作業スペース。散らかってます。

奇跡と実力。

$ドキュメントエッセイ・リターンズ。


沢山、色々な事をしたような、全く何も出来なかった様な…。
そんな今年もまもなく終わります。

嫁の個展も無事終わりました。
原宿のギャラリーでは二年前にも個展をして、
その時は、外から見える嫁の絵を気に入った女の子が、
大人を連れてきて、一番大きな絵を買ってくれた。
そればかりか、「ここにあるのよりもっと大きな絵は無いですか?」
と、アトリエに保管してあった、
二枚で一つのとんでもない大きな絵を買ってくれた。
通りがかりの海外の大富豪。
そんな漫画みたいな事が起きた場所。
その人は「是非、絵を描くことを続けてください。」
と、メッセージをくれた。

嫁は、今年は本当に悩んで、絵が描けなくなり、五ヶ月間も
絵を描く事が出来ず苦しい時期を過ごした。
そして、自分なりの答えを形にすべく、今回の個展が行われた。

「とりあえず見てもらおう。それでいい」
二年前、奇跡のような事が起きたギャラリー。
「そうそう素晴らしい事が起きるはずが無いさ。気楽に楽しもう。」
そんな事を言いながら、実際、個展をすると沢山の人が見に来てくれた。
そして、嫁の絵を見て沢山の言葉が飛び交った。

僕はたまにしか顔を出していなかったけど、それは本当に大変に思えた。
抽象画の人々の反応に対し誠実に言葉を交える事。
何も褒める人だけではない。見た人の気分でその絵はどのようにも変化する。
「大変だなぁ…」と、すぐに外へ抜け出した。

そして今回。
通りを歩いていて、ガラス戸越しに見た嫁の絵が気になり、
絵をジッと眺め、感動して涙を流してくれた若い女性がいた。
そして、その絵を買ってくれた。
今回の展示では一番大きくて、高価な絵。
若い女性が軽い気持ちで出せるような金額ではない。

それを目の当たりにし、僕は少し胸が高鳴った。
「凄いな…。」
出会い、感動し、判断する。
「奇跡が二回起こればそれは実力だよ。本当に凄いんだ。」
そう言う事が、実際起きる事を久々に感じた気がして嬉しかった。
どこか自信を無くし、勇気以外の物で自分を偽ろうとしてしまう。
ただただ虚無に蝕まれそうになる自分にハッと
目を覚まさせてくれるような出来事。

「好きな事をしていて良かった。」
そう思える日が一日でもある事。そう思わせてくれる人と出会える事。
今年来年と言わず、これからも頑張ろうと思える。
感動した。

頑張ろう。


$ドキュメントエッセイ・リターンズ。