奥田庵

小説だったり、映画だったり。犬だったり。

2019-07-07から1日間の記事一覧

ルチェルナのこと 第十八章・その①

十八 その僕は、壁にもたれ掛るように座っていた。服は着ていない。全裸だった。実際、現実世界では考えられないことが目の前で起きていることは理解していた。だが、それと同時に心の片隅で安堵し、「非現実世界」を受け入れていた。 まだ夢の先に繋がって…

ルチェルナのこと 第十七章・その②

洞窟の中は真っ暗闇だった。 小人と来たときに比べ、明るさもなければ幻想的でもなく、そこにあるのは紛れもなく現実的な洞窟だった。外よりヒンヤリとしている。足場はあまりよくない。歩くたびにガシャリと岩と砂利が擦れる音がした。 僕は闇の中に手を伸…