奥田庵

楽しんで書ける場所が欲しいなって、ここにひっそりと、僕の遊び場を作った感じです。小説的体調管理。自由。

お知らせ。

お知らせ。 現在、こちらのブログから、noteに記事を移行しております。 随時更新中のミニ小説も、noteの方で更新を続けていきたいと思います。 https://note.com/okuda_an ↑ こちらのアドレスになります。 もしよろしければ、そちらの方を覗いていただける…

不器用でオシャレじゃない人。

おしゃれな場所というのに相変わらず慣れない。 たまに仕事の流れで、下北沢のカフェとか、恵比寿のレストランとか、行ったときに、引く。 昔、知り合いが、バーテンのバイトをやっていて、いくつかカクテルなんかを作れるようになって、 「正式にうちで働い…

ろくでもない世界で、ろくでもなさを嘆く、ろくでもなさについて。

口が悪いばあさん。 「ああいうものはろくでもないんだ」 と、よく批判している。 その場では目立つし、そこそこ鋭さがあるような発言に聞こえているということで、一目置かれたりするのだけれど、口が悪いので、どんどん孤独になっていった。 旦那とは離婚…

こどもの眼。

電車の座席に座っているときに、子供たちの集団が乗ってきた。 それぞれの親も一緒で、子供たちは全部で四人。 おそろいの服に、おそろいの帽子。たぶん、制服なのだろう。 年齢的には、五歳か六歳。女の子。 みんなマスクしている。 親たちも四人。マスクし…

無防備な寝顔に対する敬意と忘れられる時間の愛おしさ。

部屋に帰ると、同級生の二人が酔っぱらって眠っていた。 一人はクラスで人気があった女子である。もう一人はもその親友で、吹奏楽部のメガネが似合う女子。 女子二人が、僕の部屋に来た。 二人はジャニーズのコンサートを見るために東京に来て、その会場の近…

他人に気に入られたいと思う気持ちと、まあ、いいやと思う間のとき。

「他人に気に入られようと思うと、色々なことが分からなくなる」 と、仲の悪い妹が言った。 「それは結局、他人が何を考えているかなんか分からないからなのだけれど、それを理解しつつ、どうしていいか分からなくなって、混乱して、苦しくなる」 僕は何も言…

寂しさの音。

寂しい時の儀式。 一人で、ゴムボールを壁に向かって投げる。 そんな子供時代を過ごしていた少年は、大人になった。 いまだに、寂しいなぁと感じると、一人部屋に閉じこもり、ゴムボールを壁に向かって投げる。 人気のない公園や、海辺の防波堤なんかでも投…

ダメ。ではない。

余計なことを考えると、ダメになる。 じゃあ、余計なことを考えないようにしようとすると、またダメになる。 ダメになるとは、 「ああ、これじゃ、ダメだなぁ」 と、思ったりすることである。 では、「ああ、これじゃ、ダメだなぁ」と思わないようになるには…

ポジション。

電車が駅について、ドアが開くと、作業員が四人入ってきた。 それぞれが、無言。視線も合わさず、距離を開けている。 電車の中は空いていた。 僕は、座席の隅でスマホをいじりながら、その四人をなんとなしに観察した。 全員が青いツナギ。 それぞれが、清掃…

暗黙のルール。

久しぶりにいく喫茶店。 三ヵ月前までは、週五で通っていた店。 色々あって、しばらく足が遠のいていた。 週五で通っていた時になんとなく暗黙のルールがあった。 アイスコーヒーを注文。 お金を払い、お釣りをもらう。その際に、レシートはつけない。 この…

心の空洞。

落ち込んだときに思い出す人がいる。 もう、疎遠になっている。 僕から離れた。 当時の僕は、人の意見を聞きたくない時期。自分を信じるということに固執しすぎていて、的確なアドバイスかどうかの判断ではなく、まず、否定する。 ただの反抗期なのだけれど…

心にボカシを。

仕事で企業向け研修のビデオにボカシを入れる。 工場の映像。 撮影段階では、どう処理するかは決められてはいなくて、 撮った映像観て考えましょうとなっていたらしい。 「で、人の顔と、資材はボカシ入れといて」 とのこと。 言われりゃやる。仕事だもの。 …

不良に絡まれたイライラと向き合う。

不良に絡まれ、逃げる。 「はぁはぁはぁはぁはぁっっ、はぁっはぁはぁ」 デパートへ入り、息を整えながら、個室トイレへと隠れる。 「うぁっ、はぁ、あぁっはぁ……ふっはぁっ」 情けない。気持ちが沈む。 けれど、震えて、悔しい。 どうするのか? いや、どう…

実際に離れる前の心の距離。震える。

田舎を出る前日、友人と会った。 よく、一緒に学校から帰った友人。 今日で会うのが最後かもしれないなぁと、僕は思っていた。 いや、別にまた会えばいいのだけれど、 「なあ、もうあまり帰ってこないんだろ?」 と、彼が僕に訊く。 「そうだね、ここは遠い…

あのおじさん。僕なのかも。

自転車に乗る。 おしゃれな奴ではなく、ママチャリ。カゴもついている。 電動ではない。 自転車に乗ると、学生時代の暇なときを思い出す。 通学路、自転車に乗りながらの帰り道、どこと言うわけでもなく、寄り道がしたくなっている。 あの感じが好き。 自転…

素朴。

素朴なタクシー運転手に会うと、心配になってしまう。 車内に入った瞬間から、 「あ、はい、ありがとうございます。よろしくお願いします」 なんて、声をかけてくれて、その声に張りはなく、どこか田舎の訛りのような響きがあり、語尾か「す」を飲み込む感じ…

小さな呟き。

集団の中で感じる寂しさは、自分の心に向けられていることのように感じる。 その場にいる自分は、今、ここで、何か行動を起こせば、この気持ちを変化させられることが出来るかもしれないのに、それが出来ないという寂しさ。 それと同時に、慎重であるという…

無口さ。

恥じらいを感じる。 猫背で、あまり人と目を合わせられず、ボソボソと喋る。 不器用と言うか、けれど、何かしら困っている人がいると、何か出来ることはないかと、ソワソワしている。 一生懸命、その人なりに手を尽くしたのだけれど、 あまり伝わらないで終…

バスケがしたい。

駐車場横の公園には、バスケットゴールがある。 通りかかる度に、こういう場所で誰にも見られないでシュートの練習とかしたいなぁと思っている。 別に、バスケがしたいわけではなく、 早朝。朝日。静けさ。朝靄。 そんな空間の中で、ボールをストンストンス…

合唱。

部屋の掃除をしていると、 合唱コンクールの写真が出てきた。 歌っている時の顔、その瞬間を写真が捉えている。 合唱しているときの顔が止まったまま。 口を開けて、みんな指揮者を見て、変顔してるような写真。 たしか男子がちゃんと歌わないからと指揮者が…

回路。

高齢者が半裸で走っていた。 それを見て呟いた。 「ペヤング」 つまり、こういうこと。 高齢者が半裸で走っていた。 それを眺めていたら、昔、バイト先で粋がっていた高齢の清掃責任者を思い出し、そういえば、その人は、嘘つきだ嘘つきだと陰で言われていた…

説得力。

軽音部の渚先輩はハードボイルドでカッコよかった。 「まあ、未来のことなんか、俺にとっちゃ過去のことさ」 と、何言ってるか分からないが、 異常な存在感と、低い声のトーン、渋い雰囲気で、そこにいるすべての人を納得させてしまう。 「なんか、未来を見…

下手。

「生きるのがうまくない」 と、叔父さんが言った。 生きるのはうまくないというのは、どういうことなのだろうか? 僕はまだ黙っていた。 「色々な人がいて、色々なことをやっていて、それは凄いなぁって思うのだけど、叔父さんは、なんだかうまくそういうこ…

処方。

寝不足。 寝不足は落ち込みやすい。 なので、何かしらざわざわしているのだけれど、 とにかく、今は 「寝不足だから」 を信じる。 寝不足なのだから、しょうがない。 寝不足は落ち込みやすいのだ。 まあ、よく眠れば、なんでもないのだ。 よく眠って、まだざ…

綺麗な。

ああ、あれは綺麗な出来事だったんだなぁ。 と、後で分かることがある。 友達が朝までカラオケに付き合ってくれたこと。 父親が訪ねてきたこと。 下校時間の沈黙。 勧められた映画。 あてもないドライブ。 ファミレスで一方的に話したことを聞いてもらったこ…

雨宿り。

小雨が降っている。 公園で雨宿りしている中年のおじさん。 腹が出ている。 髪は無く、スキンヘッド。 緑色のパンツ。黄色いシャツ。サスペンダー。 タバコ吸ってる。 で、鼻から凄い勢いで煙が出ている。 を、遠くから眺める。 鼻から出ている煙が風に乗り…

寝起き。

深い眠り。 揺り動かされて、 「あぁぁん……んんんぅぅ」 うっすら、寝ぼけ眼のまま、 「へ? ん?」 なんか起こされて、抱えられているような……。 でも、眠い。 記憶は飛び飛び……。 一瞬、凄く眩しい! 「へ?」 と、驚くが、真っ暗? 「あ……んぅ」 眠い。 …

未更新。

家出した娘。 何も言わずに出てきた。 電車に乗りながら、スマホでネットサーフィン。 なんとなく、母親のことが気になり検索。 すると、十年以上更新が止まっている母親と同じ名前の人が書いているブログを発見。 同姓同名? まさか。と思いつつ、 なんとな…

似た空。

高台にある公園。 夕方。 誰もいない。 「結局、あの人が何を考えているかなんか分からないよなぁ」 そんなことを呟き、考えながら、今日の終わりを慰めた。 大人になれば、「大人」になっていると思った。 でも、実際の大人は、ただの経過でしかなく、 いつ…

嫌いな人。

その嫌いな人と二人きりの時間。 「なあ、俺は曲がったことが嫌いなんだよ」 「はあ」 「あいつが、どうしても正しいとは思えないんだよ」 「ええ」 「だったらさ、こっちだって口調は強くなるしよ。ちゃんとしてくれっていう思いで怒ってんだよな」 嫌いな…